平成16年度 鹿児島市学校教育研究大会 研究実践経過中間報告
鹿児島市立錫山中学校
1 研究主題
「少人数の特性を生かし,一人一人の
生徒の自主的な学習や諸活動の意欲
を高める指導はどうあればよいか」
2 はじめに
本校は,生徒数22名(中学1年生7名,中学2年生4名,中学3年生11
名)の小規模校である。その中で特別認可校となったために校区外から転校し
てきた生徒6名が加わって平成16年度がスタ−トした。
小規模校であるにもかかわらず,学習活動やその他の活動に,必ずしも全員
が主体的に取り組んで効果をあげているとは言えず,また学力差も生じてきて
いる。
そこで本校では,生徒の人数が少ないという特性を生かし,学校の研究主題
を「少人数の特性を生かし,一人一人の生徒の自主的な学習や諸活動の意欲を
高める指導はどうあればよいか」という研究主題を設定して,本年度から各教
科・領域において実践・研究することにして,少しずつ取り組んでいるところ
である。
3 今年度の研究と実践
(1) 今年度の研究の努力点
@ 学習活動への意欲の高め方の工夫
A 生徒一人一人の基礎学力を定着させるための工夫
B 意欲のある主体的な諸活動の進め方の工夫
(2) 今年度の実践・研究の内容
@ まず生活面では,社会に出ても困らないような基本的な生活習慣を身につ
けさせるために,場面に応じた正しいあいさつや礼儀作法などを身につけさ
せるための指導を,全職員で継続的に行なうことにした。
A 基礎的・基本的事項を身につけさせるために,まず標準学力検査の分析を
し,通過率の低い問題や領域の指導を徹底するとともに,定期テスト等のつ
まづきを「わかる・できる」ようになるまで徹底して指導することにした。
B 学習事項の理解・発展のためにワ−クシ−トを作成する。また,単元テス
トをさせた後に,全体的に通過率の低い問題については,補充・深化プリン
トを作成し,基礎的・基本的事項の定着を図るようにした。
C 他教科の教師とのT-Tや少人数指導(保健室指導・相談室指導も含む)を
実施している。他教科の先生方に協力をお願いして,特別な指導を要する生
徒については,その生徒の実情に応じて支援を行なうようにしている。
特に,かつて不登校などの理由で学校にいけなかった生徒は,基礎学力が
身についていない場合が多い。それで,保健室や相談室を利用しての特別指
導や補充指導に組むようにしている。
D 学習面における学力の差を解消するために,教科によっては,下位の生徒
への手立てを講じる必要があるので,特別に指導の時間を設定することにし
た。例えば,昼休み,放課後,土曜休業の日,長期休業日など生徒と教師の
双方の都合のよい時間を利用することで,補充指導や特別な支援活動を進め
てきた。
E 少人数であるために,朝の清掃,昼の清掃,学校行事(入学式・校内弁論
大会・体育祭・校内水泳大会・文化祭・持久走大会・立志式・卒業式),生
徒会活動など全ての行事に,全員がしっかりとかかわらなければならない。
例えば,体育祭の応援団では,中学生全員が応援団員として活動すること
になるし,生徒会の役員は,生徒の半数が本部の役員か執行部の役員となる。
当然,一人一人の活動の意欲が,即座に学校全体の活動の成否を左右する。
そこで,我々が心がけてきたことは,生徒の独創性や活動意欲をそがない
ようにすることと,できる限り生徒自身の自主性を尊重しながら,生徒の力
で色々なことを体験させ,教師は手を離して,温かく見守るようにしてきた。
4 これまでの成果と課題
(1) 朝のあいさつや帰りのあいさつ,職員室や保健室等への出入りなど,全職員
がその場で指導することにより,日常的に正しい礼儀作法やあいさつの習慣が
以前よりも身についてきている。
(2) 定期テストや単元テストができるようになるまで,繰り返させることにより,
少しずつ下位の生徒の学力の向上が見られるようになってきた。そして宅習に
ついても宅習ノ−トを提出させることにより,以前よりも宅習の習慣が身につ
いてきている。
(3) 効果的な教材・教具やワ−クシ−トを作成することにより,教師の教材への
関わり方と指導法の改善が図られるようになり,おかげで学習の効果も上がり
つつある。
(4) 特別な支援教育も,さかのぼると小学校の算数や国語まで及ぶこともあり,
早急な学習効果はなかなか簡単には得られない。しかも同時に,中学校の学習
は日々進んでいくので,中学校の学習の方も補充学習が必要となってくるため
に,かなり多くの時間を必要としながらも特別支援教育を実施している。
(5) 生徒の自主性を大事にして,学校の校則についても必要最少限にした。生徒
会の自主的な判断を可能な限り尊重するようにしたが,その都度,教師側と生
徒側の意見の調整をしたり共通理解を図ったりしないと見解がずれてくること
があった。
(6) 年度始めに比べると,保健室登校や不登校の生徒が減って,教室で授業を受
けられるようになった生徒が多くなったことは喜ばしいことである。
これからも,保健室登校の生徒への対応,基礎学力が不足している生徒への
対応など,今までと少し異なった,新たな課題もでてきているので,その解決
のための対策・方法を研究しなければならない。
5 おわりに
研究主題にそって,朝の打合せや放課後の中学部会,職員会議等で職員全員
の共通理解を深めつつ,その都度,対応の仕方を検討することにより,生徒一
人一人への目配り・気配りさらに,個人指導が行き届くようになってきた。ま
た生徒の学力についても少しずつ向上の跡が見られるようになった。これから
も,個を大事にしたさらなる実践を通して,研究を推進していきたいと考えて
いる。
※ 参考資料T(「基礎学力の定着」のための教科毎の手立て)
〇 国 語…「話すこと・聞くこと」の向上のための指導
(1) 基礎・基本を学ぶ…「物語的文章」を使った読み方の指導
(2) モデルに学ぶ………「ブックト−ク」の実施
(3) 図書の紹介…………生徒による図書の本の紹介(写真,絵,音楽等)
(4) その他 …………・聞き取りテストの実施
・校内弁論大会への取組
・「総合的な学習」での発表(パワ−ポイントの活
用など)
・「生活の記録」の記入欄の見直しなど
〇 数 学 ・ 英 語
(1) 宅習システムの改善
・ル−ズリ−フ式ノ−トの利用
・教科担任の点検と指導
(2) 長期休業中の補充授業 ……1日2〜4時間程度(午前中実施)
(3) 定期(実力)テストの事後指導……訂正帳,再テストの実施
〇 体 育
(1) 授業前のランニングや馬跳びなどの補強運動
(2) パス,ドリブル,シュ−トなどのスキルチェック
(3) ゲ−ム終了後,班ごとのよい点,次時の課題などの発表
※ 参考資料U(「基礎学力の定着」のための学習の手引)