研究実践経過中間報告
1 研究主題
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生徒が主体的に学び,考え,確かな学力を身につける指導はいかにあるべきか。
〜キャリア教育の視点に立った教科・領域における指導法の工夫〜
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2 主題設定の理由
(1) 「H19年度鹿児島市学校教育重点課題」から
ア 「確かな学力」の育成
基礎的・基本的な内容の着実な定着を図り,知識や技能に加えて,学ぶ意欲や自ら学び自ら考える力などの「確かな学力」をはぐくむために,指導目標を明確にし,指導と評価の一体化を図り,『わかる授業』を推進する。
イ 「心の教育」の充実
生命を大切にする心や他人を思いやる心,善悪の判断,規範意識などの道徳性を育成するために日常の人間的な心のふれ合いを深め,心に響く道徳教育を実施する。
(2)本校教育目標・重点目標等から
ア 本校教育目標
イ 本校重点目標
・ 豊かな心をそなえ,自らを律していく力の育成
・ 基礎的・基本的な内容を確実に身につけ,自ら学び・考え・行動し,社会の変化に対応できる力の育成
ウ 本校具体策(自己の生き方を考えさせる指導の充実)
・ 計画的な進路指導を推進し,自己の能力や適性についての理解を深めさせ,適切な進路選択ができるように支援する。
・ 生徒の望ましい職業観を育成するため,全教育活動を通してキャリア教育を推進する。
3 研究内容
研究を進めるにあたっては,研修主題に対する理論研究と研究授業等の実践を伴った研究(テーマ研修)
の推進を図りながら,一般研修も深める。
(1) 基礎的・基本的な内容を着実に定着させる指導法の研究(各教科)
ア キャリア教育の視点にたった教科学習の在り方
イ 個に応じた指導の研究(少人数,習熟度別等)
(2) 生徒会活動を通した自主性の育成
(3) キャリア教育の視点に立った総合的な学習への取組(職場体験学習)
(4) 小中連携を積極的に推進し,連携の在り方についての研究
(5) 道徳,特別活動を通した,豊かな人間性を育む指導の研究
4 具体策
(1) キャリア教育推進委員・研修係が中心となり,年度当初にキャリア教育の意義及び実践方法等についての研修を 深める。
(2) キャリア教育の視点にたった各教科における指導方法(板書事項・宅習等も含む)について相互理解を図る。
(3) キャリア教育の視点にたった道徳・特別活動の進め方について共通理解を図る。
(4) 職場体験学習に対しては,全職員協力体制のもと取り組む。
(5) 教師の専門性を深め,資質の向上を図る為,全職員で研究主題に沿った研究授業・授業研究を行うことを積極的に進める。研究授業に関しては毎学期1回程度全職員で授業研究まで行う時間を設定する。(研究授業以外の校時を短縮授業とし,短学活終了後授業研究を行う。また新年度の職員構成が決定された段階で教科・時期等を各学年に割り振る。)
5 研修年間計画
| 月 |
日 |
曜 |
全体計画 |
担当 |
月 |
教科・領域等 |
| 4 |
9 |
月 |
研修計画の検討・生徒指導事例研究 |
研修,生徒指導 |
4 |
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5
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7 |
月 |
キャリア教育の在り方@(全体把握) |
キャリア教育推進委員会 |
5
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| 14 |
月 |
標準学力検査分析・学期末評価 |
学習指導法改善 |
6
|
4
|
月
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キャリア教育の在り方A
(人権・同和教育・道徳・特別活動) |
キャリア教育推進委員会
|
6
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七村教諭(社会)
伊堂寺教諭(道徳)
猿渡教諭(特活)
北野教諭(特活) |
| 5 |
火 |
小中連携研修会(本校→会場校) |
研 修 |
| 19 |
火 |
学力向上@・「基礎・基本の定着」 |
学習指導法改善 |
22
|
金
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ステップアップ研修(道徳)
県進研授業提供 |
研 修
キャリア教育推進委員会 |
8
|
1 |
水 |
特別支援教育の在り方 |
特別支援教育 |
8
|
|
| 2 |
木 |
コンピュータの活用法 |
視聴覚教育 |
| 2 |
木 |
防犯研修 |
生 徒 指 導 |
| 21 |
火 |
人権・同和教育 |
人権・同和教育 |
21
|
火
|
防災研修
学力向上A(中間のまとめ) |
防 火 防 災
学習指導法改善 |
| 30 |
木 |
カウンセリング |
特 別 支 援 |
| 31 |
金 |
キャリア教育の在り方B(教科) |
キャリア教育推進委員会 |
| 31 |
金 |
研修報告会 |
研 修 |
9
|
|
|
|
|
9
|
川路教諭(数学)
垂野教諭(道徳) |
10
|
|
|
ステップアップ研修(教科) |
研 修 |
10
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伊堂寺教諭(理科)
入佐教諭(国語)
入船・池田教諭(保体) |
|
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|
|
| 11 |
12 |
月 |
教育課程編成基本方針 |
教 務 |
11
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内教諭(音楽)
新井教諭(技術) |
| |
|
|
|
|
12
|
17 |
月 |
キャリア教育の在り方C(反省) |
キャリア教育推進委員会 |
12
|
竹迫教諭(英語)
高木教諭(英語) |
| 25 |
月 |
学力向上B(まとめ) |
学習指導法改善 |
| 1 |
15 |
火 |
教育課程編成 |
教 務 |
1 |
喜島教諭(数学) |
| 2 |
4 |
月 |
年間反省・20年度計画 |
研 修 |
2 |
川ア教諭(理科) |
6 研究実践例
道徳学習指導案
平成19年6月22日(金)5校時
鹿児島市立長田中学校 3年3組
男子12名 女子17名 計29名
指導者 教諭 伊堂寺 啓哉
1 主題名 高い理想を求めて生きる
(資料名『女闘士 成田 真由美』 学研 かけがえのないきみだから)
2 指導要領との関連
指導項目 1−(4)
1 主として自分自身に関すること
(4)真理を愛し,真実を求め,理想の実現を目指して自己の人生を切り拓いていく。
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3 主題設定の理由
夢や希望を数多く語っていた子どもたちも,中学校に入学し,学習や様々な活動を通して徐々に現実が
見えてくると,自分の夢を見失ったり,高い理想の実現に関して無気力になったりすることが多くなって
くる。そして,成績至上主義の中で,良い高校,親の望む高校へ進学することだけを目標にすることが多
くなってくるのも現実である。
中学校3年生のこの時期は,2学期後半に迫った進路決定に向けて,自分の進路への関心が高まってく
る頃である。時には,現実と夢との差によって「これ位でいいや」,「どうせ無理だ」,「やっても仕方がな
い」などと妥協したり,目標を達成することができずに頑張ろうとする意欲を失ったりすることもある。
また,進路を決定する上で,夢や理想とは全く関係なく,学習成績で「行ける高校」を選択したり,高校
合格だけを目指したりすることも少なくない。
安易な妥協ではなく,どんな障害や困難に直面しても夢や理想をもち続け,その実現のために努力し,
自己の将来を切り拓いていこうとすることは,よりよく生きていくためにとても大切なことである。
本学級の生徒は,明るく元気があり,仲が良く,男女が協力してものごとを進めようとする姿が見られ
る。普段の生活や給食時間の会話で,将来の目標や夢について尋ねてみると,自分自身の力に自信がなく
「どうしようかな」と迷っている生徒や,目標を定められずに悩んでいる生徒も多い。また,進学したい
高校は決まっているが,「何のためにそこに進みたいのか」,更に,高校進学後の進路について,はっきり
とした答えを返せる生徒が少ない。
そこでこの学習を通して,現実の自分を振り返り,自分自身を積極的に成長させようとする意欲を高め
るため,本主題を設定した。
4 学級の実態
「高い理想を求めて生きる」ということを学習するにあたって,以下のような意識調査を実施した。
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意識調査結果(平成19年5月9日実施 3年3組 男子12名 女子16名 計28名)
1 受験したい高等学校は決まっていますか。 |
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はい 【23名】 いいえ【5名】
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| 2 何のために高校へ進学するのですか。 |
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・将来のため【9名】・夢実現のため【3名】・大学進学のため【3名】
・自分のため【2名】・職に就くための知識を得るため・立派な社会人になるため【1名】
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3 高校卒業後の進路を考えていますか。はいと答えた人は,どのような進路を考えて
いますか。 |
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はい【12名】 いいえ【16名】
・大学進学【7名】・美容専門学校【2名】・就職【2名】・医師【1名】
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4 将来の夢や理想をもっていますか。また,はいと答えた人は,どのような夢や理想
をもっていますか。 |
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はい【22名】 いいえ【6名】
はいと答えた人:
・保育士・エステティシャン・美容師・動物関係・自分の店を出す・外国で仕事をする
・絵本作家・フライトアテンダント・人に役立つ仕事をする・給料の高い職業・教師 |
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5 保護者や友だちと将来の夢や理想について話し合ったことがありますか。 |
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はい【23名】 いいえ【5名】
保護者と 【21名】
友だちと 【16名】
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6 将来の夢や理想を実現させるためにどのような努力をしていますか。
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・ 高校に行くための勉強・インターネットで調べる・本を読む・父に聞いてみる
・ いろいろなことに興味をもつ・機械の分解・英語の勉強を頑張っている
・ 今やれることを全力でやる |
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考察:
中学校3年生の現段階では,「この高校のこの学科を受けたい」という具体的な目標が決まっているこ
とが必要であると考える。また,将来を見据えた進路選択をするための情報収集や,自分の適性を踏ま
えた「生き方」を考え実現しようと努力することも必要であると考える。
自分の受験したい高等学校が決まっている生徒が23名(約82%)いるのに対して,高校卒業後の進
路を考えている生徒が12名(約43%)と少なくなっている。高校進学の理由に対しては,漠然と「将
来のため」と答えている生徒が多く,具体的にこうしたいということを考えている生徒は少ない。とり
あえず目の前にある目標に対しては高い関心をもっているようであるが,その後の目標は立てきれてい
ない現状がある。また,将来の夢や理想について考えている生徒が23名(約82%)おり,保護者や友
だちと話をしたことがある生徒も多数いる。つまり,夢や理想をもってはいるが,高校卒業後の進路と
結びついていない生徒が多いということになる。
このように,夢や理想をもっている生徒は多いが,具体性を伴っていないことが多い。そこで,夢や
理想を実現するには高い理想をもち続けることや強い意志,向上心をもつことが必要であるということ
を考えさせたい。
5 資料について
本資料は,パラリンピック女子競泳陣のリーダーでアテネ大会金メダリストの成田真由美さんが,度
重なる病気や交通事故などの試練を乗り越え,力強く前向きに生きている姿を紹介したものである。こ
の資料を用いることによって,困難に直面しても高い理想をもつことで人生が豊かになり得るというこ
とを感じさせたい。また,高校入試という目の前にある直前の目標や夢だけではなく,さらにその先に
ある夢や目標の実現に目を向けさせ,一度しかない人生だからこそ高い理想をもち,くじけない強い心
をもって,努力を積み重ね,夢の実現を図っていくことの大切さを感じさせたい。
6 キャリア教育の視点
(1)将来設計能力(計画実行能力)
・ 目標とすべき将来の生き方や進路を考え,それを実現するための進路計画を立て,実際の選択行
動等で実行していこうとする。
(2)意志決定能力(課題解決能力)
・ よりよい生活や学習,進路や生き方等を目指して自ら課題を見いだしていくことの大切さを理解
する。
7 本時の実際
(1)目標
ア 自分の今の姿を見つめ直すことができる。
イ 理想の実現に向けて力強い意志の表明ができる。
(2)指導にあたって
・ 意識化の段階で青バケツを準備し,何に使うのか考えさせ,成田真由美さんへの関心を高めて
いきたい。
・ 追求・深化の段階では,なぜ成田さんはさまざまな試練を乗り越えることができたかを,自分
の弱い面と対比させながら捉えさせていきたい。
・ 自覚化の段階では,予期せぬ試練,障害が立ちふさがって,目標達成を諦めてしまった経験を
思い出し,「心のノート」を使用し,夢や理想の実現を図るにはどうすればよいか考えさせていき
たい。
(3)指導過程
過 程 |
学 習 活 動 |
形態 |
主 な 発 問 内 容 |
指 導 上 の 留 意 点 |
導入
5
分 |
意識化
|
1 成田真由美さんに
ついて知る。
|
一斉
|
・ この青バケツを使うと
したら,どんな競技の練
習に使えそうですか。
|
・ 成田真由美さんにつ
いて説明をする。
|
展開
40
分
|
焦点化
追求・深化
自覚化
|
2 資料の前半を読み,
教科書を破り捨てて
いたときの成田さん
の気持ちを考える。
3 なぜ,派手な車イ
スにしたのか考える。
4 資料の後半を読み,
「またひとつ,試練
を乗り越えて,もう
一回り大きくなって
やろう。」と思ったと
きの成田さんの気持
ちを考える。
5 自分自身に思いが
けない試練がふりか
かったとしたらどう
するか考える。
6 予期せぬ試練,障
害が立ちふさがって,
目標達成を諦めてし
まった経験を思い出
し,これからどのよ
うに行動していけば
よいか心のノートに
まとめる。 |
一斉
一斉
一斉
↓
個人
個人
|
・ ベッドの上から,教科
書を破って,床に投げ捨
てたのはどうしてだろう
か。
・ なぜ派手な車イスにす
る必要があったのだろ
う。
・ 「またひとつ,試練を
乗り越えて,もう一回り
大きくなってやろう。」
と思ったときの成田さん
は,どんな自分の姿を夢
見ていたのだろう。
・ 成田さんのような状況
になったら,あなたはど
う対処していきますか。
・ 部活動で怪我を負った
り,大地震に遭って家が
倒壊したら,あなたは
どうしますか。
・ これまでの自分を振り
返り,夢や理想を実現さ
せるには何が大切かまと
めてみよう。
|
・ 自暴自棄の程度がい
かに深いものだったか
読みとらせる。
・ なぜ前向きに生きよ
うと思ったのか考えさ
せる。
・ 家族や仲間の温かい
支えがあったことに気
づかせる。
・ さまざまな試練を想
定し,どのように対処
すればよいか考えさせ,
強い意志と,高い理想
をもつことが大切であ
ることに気づかせる。
・ 心のノート28,29ペ
ージを使い,夢や理想
を実現させていくため
にはどうすればよいか
考えさせる。
【評価ア,イ】
【計画実行能力】
【課題解決能力】 |
終末
5分
|
意欲化
|
7 教師の話を聞く。
|
一斉
|
|
・ 「高い理想の実現」
についての話をする。
|
(3)評価
ア 自分の今の姿を見つめ直すことができたか。
イ 理想の実現に向けて力強い意志の表明ができたか。