T 研究の概要

1 主題主題  

確かな学力の土台をはぐくむ,国語科学習の在り方 〜読む力の育成を通して〜

2 主題設定の理由

(1)   社会の要請から

これからの時代は,人々を取り巻く環境がこれまで以上に急速に変化していくことが予想される。そんな中を生きていく,今の子どもたちには,確かな学力を身につけ,それをもとに,自分で課題を見つけ,自ら学び,自ら考え,主体的に判断・行動し,よりよく問題解決する能力や,豊かな人間性,健康と体力等の「生きる力」を身に付ける必要がある。中でも,「心の教育」や「確かな学力」の向上は現在の学校教育において,重要な課題となっている。

 各家庭では,核家族化,少子化が進み,共働きの家庭も多く,家族の団らんも失われがちである。子どもたちのまわりにはゲーム・テレビ・インターネットなどの様々なメディアが氾濫している。それに伴い,「読む力」,「語彙力」を養う上で大きな役割を果たす読書や,読み聞かせが,家庭の中から減少してきている。

確かな学力を培うためには,国語の重要性や,その役割を踏まえて,一人一人がこれまで以上に国語力を高めていくことが必要となる。国語科の学習はすべての教科を支える基盤でもあり,国語力の向上は「確かな学力」の向上につながると考えられる。中でも「読む力」の向上は,すべての教科の基礎学力を定着させる上で不可欠であると考えられる。

(2) 児童の実態から

本校の子どもたちは非常に素直で,明るく過ごしているが,反面,自分の感情を上手く言葉で表現できない児童も多い。18年度・16年度(17年度は早期実施のため全国平均と比較できず)実施したCRTの結果をみると,共にすべての学年で,「読む力」が全国平均と比べて劣っていた。18年度は「読む」のそれぞれの項目についても全国平均を下回っている現状である。これらのことからも,国語力を養う必要がある。

3 研究主題について

(1)    確かな学力の土台とは・・・

・ 全教科の基礎・基本

・ 読む力、書く力、話す力、聞く力・・中でもまずは「読む力」

・ 学ぼうとする意欲

○ 国語科の目標(学習指導要領)

 国語を適切に表現し正確に理解する能力を育成し,伝え合う力を高めるとともに,思考力や想像力及び言語感覚を養い,国語に対する関心を深め,国語を尊重する態度を育てる。

また学習指導要領には次のように述べられている。

国語の能力や国語に対する関心・態度は,国語科だけでなく,他教科,道徳及び特別活動,「総合的な学習の時間」などの学習でも養われるものであり,さらに,学校教育活動全体,家庭生活,地域活動の中で身に付くことも多い。・・(中略)・・国語の力の育成が児童のすべての学習や日常の生活に役立ち,向上をうながすことにならなければならないし,このことが国語科の最も本質的なねらいだということを念頭に置くべきだろう。(第1章・第5節)

これらのことを踏まえ,本校での研究は「国語科学習」を次のように捉える。

(2)    研究主題の「国語科学習」とは

国語科の授業を中心とするが,国語科の読む力の育成につながる授業以外の部分も含んでいる。

 

○ 読むことに関する指導目標(学習指導要領 第2章・第1節)

学年

     読むことの目標   (右・態度に関する部分)

第1学年及び

第2学年

書かれている事柄の順序や場面の様子などに気付きながら読むことができるようにするとともに,

楽しんで読書しようとする態度を育てる。

 

第3学年及び

第4学年

目的に応じ,内容の中心をとらえたり,段落相互の関係を考えたりしながら読むことができるようにするとともに,

幅広く読書しようとする態度を育てる。

第5学年

及び

第6学年

目的に応じ,内容や要旨を把握しながら読むことができるようにするとともに,

読書を通して考えを広げたり深めたりしようとする態度を育てる。

以上を踏まえ,

(3) 読む力とは・・・

・ 文章を読むことで,書かれていることの意味を理解できる力。

・ 自分から進んで読書をしようとする態度。

音速,黙読,

速読する力

 
図で表すと

 


 

 

 

読書力:日常生活の中で自分から進んで読書を継続する力

 
 

 

 


(4)    読む力をはぐくむには・・・

・ 授業の中で積極的に読む活動を取り入れる。

・ 読む機会や、読み聞かせなど読んでもらう機会を多くする。

・ 月がわりで詩の暗唱プリントや音読カードを出し、音読・暗唱に取り組む。

・ 読書環境を整える。

       読みを生かす場を設ける。(音読放送・音読集会など)

       家庭でも読書の機会を設ける。

・ その他

 

 

4 研究のねらいについて

上記の研究主題を追求するために,より具体的な研究のねらいを以下のように設定した。

研究のねらい

国語科学習において読む力をつけることによって,子どもたちに確かな学力の土台をはぐくむ。

 

5 研究仮説について

 研究主題追求のために,以下の2つの面からの仮説を設定した。

○ 仮説1(授業面)

国語科授業において,積極的に音読の場を確保し,学年に応じた読みの方法を工夫することで,書かれていることへの理解力が高まり,読む力を育成できるのではないか。

○ 仮説2(授業以外の面)

読みに関する環境を充実させたり,積極的に授業で学んだことを生かす場を工夫したりすることで,児童の読みへの関心や・語彙力が高まり,読む力を育成できるのではないか。

 

6 研究内容について

(1) 研究の視点

     授業における音読,読みの方法の工夫

     読みに関する環境の充実

     学んだことを生かす場の工夫

(2)研究の流れ

1年次 理論研究・実態把握・目標設定,実践  (Plan,Do)

2年次 共通実践,変容調査,成果と課題    (Do,See)

 

 

 

(3)研究の項目

  ア 研究主題に関する研究

イ 研究仮説の立案,目標設定,共通実践の提案

ウ 「読み」の段階的指導のあり方の研究

エ 基本的生活習慣と学力向上の関係の研究(家での生活の実態把握,データの収集・分析など)

オ 読む力の実態把握の方法と分析の研究

カ 学習の構えに関する研究(学習の準備,学習中など)

キ 基礎学力を身に付ける授業のあり方の研究(授業の進め方,ノート指導,授業のまとめ,自己評価など)

ク 検証授業を通した実践的研究(教材研究)

 

○ 班ごとの主な研究内容の割り振り

 

 


(3) テーマ研究組織

テキスト ボックス: 研究推進委員会テキスト ボックス: 研 修 係ア 研究班

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

○ 各研究班ごとの具体的研究内容

理論研究班           実態調査班          授業班   

・研究主題の掘り下げ

・仮説の検証

・他校の実践の研究等の資料収集

・成果と課題のまとめ

 

・CRTの読みの部分の集計・分析

・家庭学習の手引きの見直し

・家庭でのテレビ&ゲームの実態調査

・読書量調べ(図書室)

・個人の読みの力の評価方法検討・実施

・教室設営づくり

・授業での音読の場の確保のしかた。

・授業過程の明確化

・学習の心構え

・研究授業の実施

 

イ 研究授業(低・中・高学年部)

    授業班の提案をもとに,学年部ごとに研究授業の準備・実施をする。

    ※19年度も全員が研究授業をする。

 

全体研修での研究授業 (19年度は物語文にしぼって行う。)

低学年部

中学年部

高学年部

1年1組

「ずっと ずうっと

大すきだよ」

4年2組

「一つの花」

6年1組

「やまなし」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

U テーマ研修 年間計画

全体研修

理論研究班

実態調査班

授業班

 

 

 

 

 

14

 

28

全体計画

@     テーマ研修

(班研修)

A各班からの提案

共通理解

研究主題決定

研究内容検討

作業分担

主題の定義・研究仮説の提案

 

 

 

実態把握の方法検討

 

 

指導案の形式・授業の流れ・掲示物等の検討

 

12

25

小中連携研修会

B各班からの提案

共通理解

 

研究仮説の再提案

 

提案を受けての立案

 

指導案の形式・授業の流れ提案

 

 

資料収集

読書量及びテレビ・ゲームの実態把握

CRT分析

家庭学習の手引きの見直し

調査事項提案

研究授業の調整・決定

 

30

31

1学期の反省と研究授業について

班別研修

2学期の計画

理論の掘り下げ

 

 

研究事項の提案

教材研究

設営の掲示物作成・掲示

係分担発表

 

各学級で実践を進める

 

実態調査〈音読・読み取り〉実施 ⇒ 集約・分析

各学年での研究授業の実施

10

 

18

22

29

C各班からの提案

共通理解

指導案検討(4年)

授業研究(4年)

指導案検討(6年)

 

 

 

仮説検証

アンケート結果の紹介

 

 

指導案検討

研究授業

指導案検討

11

5

19

26

授業研究(6年)

指導案検討(1年)

授業研究(1年)

仮説検証

 

仮説検証

 

研究授業

指導案検討

研究授業

12

2学期の反省

CRT標準学力検査

成果と課題の集約

 

CRT実施